回転ムーンウォークのやり方|円の中心に対して自転しながら公転する
回転ムーンウォークを習得する上でおさえておきたい主要6種類の基本を全7回にわたり解説していきます。
シリーズの第1回目の今回は、ジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンにスポットを当て、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきたいと思います。
回転ムーンウォークとは
まずはじめに回転ムーンウォークのおもな系譜から解説していきます。
おもな系譜
回転ムーンウォークは、もともとは「ムーンウォーク」(The Moonwalk)という名称として、エレクトリックブガルーズ(Electric Boogaloos)(※1)のメンバーのティッキン・ウィル(Tickin’ Will)が1975年に考案し、リーダーのブガルー・サム(Boogaloo Sam)(※2)によって発展していったスタイルで、ひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせることによって表現します。
かかとからつま先にかけて後方へ交互にスライドしながら移動していく「バックスライド」をマイケル・ジャクソンが「ムーンウォーク」と命名し1983年のモータウン25(※3)で披露したことによって、一般にはバックスライドの表現が「ムーンウォーク」として広く知られるようになりましたが、歴史的観点からするとブガルー・サムの、ひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせる表現が本来の「ムーンウォーク」(The Moonwalk)です。
この「ムーンウォーク」(The Moonwalk)の表現はマイケル・ジャクソンのムーンウォーク(バックスライド)とは明らかに異なる表現コンセプトで創られたスタイルであるため、現在はそれとは区別して「オリジナルムーンウォーク」(Original Moonwalk)と呼ばれています。
※1:ブガルー・サムによって1977年に結成された伝説的ダンスクルー。曲のビートに反応してポーズを形成した直後に身体の各部位を同時に弾いて表現する「ポッピング」(Popping)と、腰・ひざ・頭などの身体のあらゆる部分のロールを自在に使いこなすことによって流動的に表現する「ブガルー」(Boogaloo)の2大ダンススタイルを世に送り出した。なお、結成時の1977年は、エレクトリックブガルーロッカーズ(Electric Boogaloo Lockers)の名称でカリフォルニア州フレズノを本拠地としていたが、1978年にカリフォルニア州ロングビーチへ移転後「エレクトリックブガルーズ」へと改名した。
※2:エレクトリックブガルーズのリーダー。曲のビートに反応してポーズを形成した直後に身体の各部位を同時に弾いて表現する「ポッピング」と、腰・ひざ・頭などの身体のあらゆる部分のロールを自在に使いこなすことによって流動的に表現する「ブガルー」を創り出したオリジネーター(考案者)。マイケル・ジャクソンの作品にはショートフィルム「ゴースト」に出演した。
※3:マイケル・ジャクソンがジャクソン5時代に所属していたレコードレーベル「モータウン」の設立25周年を記念して開催された音楽の祭典。そのハイライトは1983年5月16日に全米でTV放送された。祭典の正式名称は「Motown25: Yesterday, Today, Forever」(モータウン25:昨日、今日、そして永遠に)。この祭典がマイケルにとってムーンウォーク(バックスライド)初披露の場となった。
2人のレジェンド
マイケル・ジャクソンが回転ムーンウォークを自分の表現として確立していく過程において影響を受けた2人のレジェンドがいます。
その2人のレジェンドとは、ジェフリー・ダニエル(Jeffrey Daniel)(※4)とブガルー・シュリンプ(Boogaloo Shrimp)(※5)です。
1979年、ジェフリー・ダニエルはキャスパー・キャ二デイト(Geron “Caszper” Canidate)(※6)とクーリー・ジャクソン(Derek “Cooley” Jaxson)(※7)と共に「Jeffrey Daniel & The Eclipse」として、当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」へ出演した際に、ブガルー・サムのオリジナルムーンウォークに影響を受けた、円を描くように体重移動することによって表現する回転ムーンウォークを披露します(※参照:YouTube)。
この円を描くように体重移動することによって表現する回転ムーンウォークが、のちに1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでマイケル・ジャクソンが採用することとなる回転ムーンウォークの原型となりました。
その5年後の1984年、映画「ブレイクダンス」(Breakin’)のオープニングシーンでブガルー・シュリンプは、つま先からかかとにかけて円を描くように足をスライドしていく表現を利用して、床から浮いているかのように回転しながら自在に移動していくサークルフロート(回転ムーンウォーク)を披露します(※参照:YouTube)。
この円を描くように足をスライドすることによって表現するサークルフロートが、のちに1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期までマイケル・ジャクソンが採用することとなる回転ムーンウォークの原型となりました。
※4:マイケル・ジャクソンがムーンウォーク(バックスライド)を自分の表現として確立していく過程において影響を受けた2人のレジェンドのうちの一人。1980年にマイケルへバックスライドを教えたことをきっかけに、のちに1987年公開のショートフィルム「Bad」や1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalのコレオグラファー兼ダンサーとしてマイケルの仕事にたずさわり、Badでは地下鉄構内のシーン、Smooth Criminalでは、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。
※5:マイケル・ジャクソンがムーンウォーク(バックスライド)を自分の表現として確立していく過程において影響を受けた2人のレジェンドのうちのもう一人のレジェンド。1983年から1991年までマイケルのソロパートのアドバイザー(パーソナルポッピングインストラクター)として、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアー以降のBillie Jean終盤の間奏部分のダンスパートをはじめ、ムーンウォーク(バックスライド)を含む一連のパフォーマンスを完成度の高いレベルまで引き上げる仕事にたずさわった。
※6:当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」にエレクトリックブガルーズのダンススタイルの一つである「バックスライド」を早い時期に持ち込み披露したダンサーの一人。1979年にクーリー・ジャクソンと共にマイケル・ジャクソンへバックスライドを教えたことをきっかけに、1987年公開のショートフィルム「Bad」では地下鉄構内のシーン、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」ではSmooth Criminalの、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。
※7:当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」にエレクトリックブガルーズのダンススタイルの一つである「バックスライド」を早い時期に持ち込み披露したダンサーの一人。1979年にキャスパー・キャニデイトと共にマイケル・ジャクソンへバックスライドを教えたことをきっかけに、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでは、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。
マイケルの回転ムーンウォークの登場
以上が回転ムーンウォークのおもな系譜で、マイケル・ジャクソンの回転ムーンウォークはこれらの系譜を経て1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーのBillie Jeanではじめて登場しました。
ヴィクトリーツアー
マイケル・ジャクソンが表現する回転ムーンウォークにはおもに2つの系統があり、1つは、ジェフリー・ダニエルの影響を受けた、円を描くように体重移動することによって表現する「オリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク」と、もう1つは、ブガルー・シュリンプの影響を受けた、円を描くように足をスライドすることによって表現する「サークルフロート系回転ムーンウォーク」です。
1983年のムーンウォーク(バックスライド)初披露のあと、マイケル・ジャクソンはブガルー・シュリンプをソロパートのアドバイザー(パーソナルポッピングインストラクター)として迎え入れ、Billie Jean終盤の間奏部分のダンスパートのクオリティーをアップグレードします。
これにともない、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーのBillie Jeanで披露した回転ムーンウォークは、ブガルー・シュリンプの影響を受けたサークルフロート系回転ムーンウォークがベースとなっています。
ジャクソンズヴィクトリーツアー初期では回転ムーンウォークをほんの数ステップ程度しか披露しなかったマイケル・ジャクソンですが、公演の回数を重ねていくにつれて披露する時間も長くなり、中期以降はBillie Jean終盤の間奏部分における、ムーンウォーク(バックスライド)とならぶ「重要な見せ場の武器」の一つとして前面に打ち出していきました。
おもな回転ムーンウォーク
このジャクソンズヴィクトリーツアーでマイケル・ジャクソンは、いくつかのサークルフロート系回転ムーンウォークを開発し披露していました。
そのおもな回転ムーンウォークを時期別に分類すると次の3つのタイプです。
1. ヴィクトリーツアー初期バージョン
コブラから足をスライドして回転する「コブラ型回転ムーンウォーク」。
2. ヴィクトリーツアー中期バージョン
円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」。
3. ヴィクトリーツアー後期バージョン
2つの折り返し点をターンで回転する「2点間ターン型回転ムーンウォーク」。
1. ヴィクトリーツアー初期バージョン
1つ目のタイプは、ジャクソンズヴィクトリーツアーの最初の公演都市カンザスシティで披露した、コブラから足をスライドして回転する「コブラ型回転ムーンウォーク」です(※参照:YouTube)。
この回転ムーンウォークの表現はスネーキング(Snaking)(※8)のコブラに近いスタイルであることが特徴で、ブガルー・シュリンプバージョンのコブラ(※9)の表現をベースに、円を描くように足をスライドすることによって表現する「サークルフロート系回転ムーンウォーク」を組み合わせた表現として披露しています。
しかしこの回転ムーンウォークはジャクソンズヴィクトリーツアーの初期に少し披露する程度にとどまり、マイケル・ジャクソンは早々に次のタイプ2の、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」へと移行していきました。
※8:エレクトリックブガルーズのメンバーだったミステリアスポッパーズ(Mysterious Poppers)のダリル・ジョンソン(Darold Johnson:ダンサーネーム「KING COBRA」)が、ブガルー・サムの表現する「胸を大きくロールするアイソレーション」からインスピレーションを受けて1979年に創り出したスタイル。時計回り、あるいは反時計回りに胸を大きくロールするアイソレーションの動きを基本とし、身体全体をロールしながら回転したり、身体のラインをS字状に形作ることによって表現する。
※9:1984年公開の映画「ブレイクダンス」でブガルー・シュリンプが披露したコブラ。ダリル・ジョンソンのコブラが、胸を大きくロールするアイソレーションの動きを基本とし、身体全体をロールしながら回転する「全方向回転型」の表現であるのに対し、ブガルー・シュリンプバージョンは90度に1回胸のロールのアイソレーションを完結しながら回転する「90度分割回転型」の表現となっているのが特徴(※参照:YouTube)。
2. ヴィクトリーツアー中期バージョン
2つ目のタイプは、ジャクソンズヴィクトリーツアー中期の公演都市トロント(カナダ)で披露した、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」です(※参照:YouTube)。
この時期からマイケル・ジャクソンの回転ムーンウォークは、Billie Jean終盤の間奏部分における、ムーンウォーク(バックスライド)とならぶ「重要な見せ場の武器」の一つとして前面に打ち出すようになりました。
この回転ムーンウォークは、「円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するように一回りする表現」に特徴があります。
3. ヴィクトリーツアー後期バージョン
3つ目のタイプは、ジャクソンズヴィクトリーツアー最後の公演都市ロサンゼルスで披露した、月の上を歩いているかのように2つの折り返し点をターンで回転する「2点間ターン型回転ムーンウォーク」です(※参照:YouTube)。
この回転ムーンウォークは、中期バージョンの「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方を引き継ぎながらも、中期バージョンのように円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するのではなく、「左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りする表現」に特徴があります。
やり方を理解する
以上を踏まえ、ジャクソンズヴィクトリーツアーのマイケル・ジャクソンの回転ムーンウォークで本解説が取り上げる回転ムーンウォークは、Billie Jean終盤の間奏部分における、ムーンウォーク(バックスライド)とならぶ「重要な見せ場の武器」の一つとして前面に打ち出すようになったヴィクトリーツアー中期バージョンの「自転公転型回転ムーンウォーク」と、後期バージョンの「2点間ターン型回転ムーンウォーク」の2つです。
このうち今回は、ジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンにスポットを当て、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきたいと思います。
「自転公転型」の基本
ここからはジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンの、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきます。
今回の解説では、私の表現する次の回転ムーンウォークの動画を参考動画としています。
解説:この動画の表現について
1984年のジャクソンズヴィクトリーツアー中期の公演都市トロント(カナダ)のBillie Jeanでマイケル・ジャクソンが披露した、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する回転ムーンウォークの表現は、それを構成するおもな「表現の要素」に、1983年から1991年までマイケルのソロパートのアドバイザー(パーソナルポッピングインストラクター)として、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアー以降のBillie Jean終盤の間奏部分のダンスパートをはじめ、ムーンウォーク(バックスライド)を含む一連のパフォーマンスを完成度の高いレベルまで引き上げる仕事にたずさわったブガルー・シュリンプの、円を描くように足をスライドすることによって表現するサークルフロート(回転ムーンウォーク)の表現の要素が読み取れることから、マイケルはこのサークルフロートから「足をスライドする表現」と「円を描く表現」の各種要素を抽出し、オリジナル表現の「自転しながら公転する表現」と組み合わせて再構築することによって、マイケルの解釈によるマイケルバージョンのサークルフロート系回転ムーンウォーク、すなわち、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」を表現していることがわかります。
これを踏まえ、この動画で私が表現している回転ムーンウォークは、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアー中期のBillie Jeanでマイケル・ジャクソンが披露した「月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する回転ムーンウォーク」の「自転しながら公転する表現」をベースに、1984年公開の映画「ブレイクダンス」でブガルー・シュリンプが披露した、円を描くように足をスライドすることによって表現するサークルフロートの「足をスライドする表現」、「円を描く表現」がおもな構成要素であり、これらの表現から「表現の要素」を抽出し再構築することによって、私の解釈による私バージョンの、サークルフロート系回転ムーンウォーク、すなわち、円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」を表現しています。
「自転公転型」前半の動作
それでは「自転公転型回転ムーンウォーク」前半の動作の解説に入ります。
回転ムーンウォークのやり方①
ここではスタートポジションから左足を後方へずらしながら、つま先を9時方向に向けて立てる動作について解説します。
スタートポジション
両足を肩幅程度に開いて立ちます。
つま先は外側へ軽く開いておきます。
この位置がスタートポジションです(左0・右0)。
左足
左足を後方へずらしながら、つま先をこれから回転する反時計回りの方向へ向けます。
この時つま先の先端は9時方向に立てた状態とします(1)。
体重
左足のつま先の先端と右足の足の裏全体にかかっています。
回転ムーンウォークのやり方②
ここではつま先を立てた左足を床に下ろすと同時に、右足のつま先を9時方向に向ける動作について解説します。
左足
つま先を立てていた状態からかかとを下ろして床に着地します(2)。
右足
左足のかかとを床に着地する動作と同時に、右足のつま先をこれから回転する反時計回りの方向へ向けます(2)。
この時つま先は9時方向を向いています。
体重
右足から左足へ体重を切り替えます。
回転ムーンウォークのやり方③
ここでは右足を9時方向に向かってすり足で移動しつま先を立てる動作について解説します。
右足
9時方向に向かってすり足で右足を移動します。
移動していく途中からかかとを浮かせていき、移動後につま先を立てた状態とします(2)。
左足
動かさずそのままとします。
体重
右足のつま先の先端と左足の足の裏全体にかかっています。
前半の動作の流れ
ここまでが「自転公転型回転ムーンウォーク」前半の動作です。
前半の動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。
「自転公転型」後半の動作
ここからは「自転公転型回転ムーンウォーク」後半の動作の解説に入ります。
回転ムーンウォークのやり方④
ここでは右足のつま先を支点として反時計回りに約180度回転したあと、左足のつま先を立てる動作について解説します。
右足
右足のつま先の先端に半分以上の体重を移し、つま先を支点として3’を経由しながら反時計回りに約180度回転します。
3’を超えたところからかかとを床に下ろし、回転後はかかとが床に着地した状態とします(3)。
回転後の身体の向きは3時方向を向いています。
左足
右足の回転と連動し、つま先を支点として3’を経由しながら3の方向へ移動します。
回転後、左足のつま先を立てた状態とします(3)。
体重
左足のつま先の先端と右足の足の裏全体にかかっています。
後半の動作の流れ
ここまでが「自転公転型回転ムーンウォーク」後半の動作です。
後半の動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。
動作のまとめ
以上がジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンの、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本についての解説でした。
この動作で反時計回りに自転したことになりますので、あとは「回転ムーンウォークのやり方②」に戻って一連の動作を繰り返しながら周回軌道を時計回りに公転するように一回りして表現します。
最後に、今回解説した「自転公転型回転ムーンウォーク」の動作の流れを次のスローモーション動画でおさらいしましょう。
参考:コブラ型回転ムーンウォーク
参考までに、回転ムーンウォークの表現のバリエーションとして、コブラから足をスライドして回転する「コブラ型回転ムーンウォーク」を紹介します。
前述のとおり「コブラ型回転ムーンウォーク」は、マイケル・ジャクソンが1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーの初期に披露した回転ムーンウォークです。
マイケル・ジャクソンの「コブラ型回転ムーンウォーク」の表現と私の表現の「違い」について簡単に説明すると、足を後ろに引き、後退するように円を描きながら身体の外側に向かって回転して表現しているのがマイケルの表現です。
一方、私の表現は、足を前に出し、前進するように円を描きながら身体の内側に向かって回転して表現しています。
次回について
ジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンの、月の上を歩いているかのように円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について理解した次におさえておきたい回転ムーンウォークは、ジャクソンズヴィクトリーツアー後期バージョンの、月の上を歩いているかのように2つの折り返し点をターンで回転する「2点間ターン型回転ムーンウォーク」です。
第2回|2点間ターン型
この回転ムーンウォークは、ジャクソンズヴィクトリーツアー中期バージョンの「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方を引き継ぎながらも、中期バージョンのように円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するのではなく、「左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りする表現」に特徴があります。
それではまた次のコンテンツでお会いしましょう。
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