回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動して回転する|前編

回転ムーンウォークを習得する上でおさえておきたい主要6種類の基本を全7回にわたり解説していくシリーズの第5回目です。
回転ムーンウォークのやり方|おさえておきたい主要6種類の表現
回転ムーンウォークを習得する上でおさえておきたい主要6種類の基本を全7回シリーズで解説します。
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回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動して回転する|前編

回転ムーンウォークを習得する上でおさえておきたい主要6種類の基本を全7回にわたり解説していきます。

シリーズ5回目の今回は、Smooth Criminalバージョンにスポットを当て、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきたいと思います。

回転ムーンウォークとは

まずはじめに前回の解説を振り返ります。

回転ムーンウォークのはじまり

回転ムーンウォークは、もともとは「ムーンウォーク」(The Moonwalk)という名称として、エレクトリックブガルーズ(Electric Boogaloos)(※1)のメンバーのティッキン・ウィル(Tickin’ Will)が1975年に考案し、リーダーのブガルー・サム(Boogaloo Sam)(※2)によって発展していったスタイルで、ひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせることによって表現します。

かかとからつま先にかけて後方へ交互にスライドしながら移動していく「バックスライド」をマイケル・ジャクソンが「ムーンウォーク」と命名し1983年のモータウン25(※3)で披露したことによって、一般にはバックスライドの表現が「ムーンウォーク」として広く知られるようになりましたが、歴史的観点からするとブガルー・サムの、ひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせる表現が本来の「ムーンウォーク」(The Moonwalk)です。

この「ムーンウォーク」(The Moonwalk)の表現はマイケル・ジャクソンのムーンウォーク(バックスライド)とは明らかに異なる表現コンセプトで創られたスタイルであるため、現在はそれとは区別して「オリジナルムーンウォーク」(Original Moonwalk)と呼ばれています。

※1:ブガルー・サムによって1977年に結成された伝説的ダンスクルー。曲のビートに反応してポーズを形成した直後に身体の各部位を同時に弾いて表現する「ポッピング」(Popping)と、腰・ひざ・頭などの身体のあらゆる部分のロールを自在に使いこなすことによって流動的に表現する「ブガルー」(Boogaloo)の2大ダンススタイルを世に送り出した。なお、結成時の1977年は、エレクトリックブガルーロッカーズ(Electric Boogaloo Lockers)の名称でカリフォルニア州フレズノを本拠地としていたが、1978年にカリフォルニア州ロングビーチへ移転後「エレクトリックブガルーズ」へと改名した。

※2:エレクトリックブガルーズのリーダー。曲のビートに反応してポーズを形成した直後に身体の各部位を同時に弾いて表現する「ポッピング」と、腰・ひざ・頭などの身体のあらゆる部分のロールを自在に使いこなすことによって流動的に表現する「ブガルー」を創り出したオリジネーター(考案者)。マイケル・ジャクソンの作品にはショートフィルム「ゴースト」に出演した。

※3:マイケル・ジャクソンがジャクソン5時代に所属していたレコードレーベル「モータウン」の設立25周年を記念して開催された音楽の祭典。そのハイライトは1983年5月16日に全米でTV放送された。祭典の正式名称は「Motown25: Yesterday, Today, Forever」(モータウン25:昨日、今日、そして永遠に)。この祭典がマイケルにとってムーンウォーク(バックスライド)初披露の場となった。

2つの系統

マイケル・ジャクソンが表現する回転ムーンウォークにはおもに2つの系統があり、1つは、ジェフリー・ダニエル(Jeffrey Daniel)(※4)の影響を受けた、円を描くように体重移動することによって表現する「オリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク」と、もう1つは、ブガルー・シュリンプ(Boogaloo Shrimp)(※5)の影響を受けた、円を描くように足をスライドすることによって表現する「サークルフロート系回転ムーンウォーク」です。

マイケル・ジャクソンは1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期までサークルフロート系回転ムーンウォークを採用し、1988年のバッドツアー中期以降はオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークを採用しました。

※4:マイケル・ジャクソンがムーンウォーク(バックスライド)を自分の表現として確立していく過程において影響を受けた2人のレジェンドのうちの一人。1980年にマイケルへバックスライドを教えたことをきっかけに、のちに1987年公開のショートフィルム「Bad」や1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalのコレオグラファー兼ダンサーとしてマイケルの仕事にたずさわり、Badでは地下鉄構内のシーン、Smooth Criminalでは、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。

※5:マイケル・ジャクソンがムーンウォーク(バックスライド)を自分の表現として確立していく過程において影響を受けた2人のレジェンドのうちのもう一人のレジェンド。1983年から1991年までマイケルのソロパートのアドバイザー(パーソナルポッピングインストラクター)として、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアー以降のBillie Jean終盤の間奏部分のダンスパートをはじめ、ムーンウォーク(バックスライド)を含む一連のパフォーマンスを完成度の高いレベルまで引き上げる仕事にたずさわった。回転ムーンウォークに関しては、1984年公開の映画「ブレイクダンス」(Breakin’)のオープニングシーンで、つま先からかかとにかけて円を描くように足をスライドしていく表現を利用して、床から浮いているかのように回転しながら自在に移動していくサークルフロート(回転ムーンウォーク)を披露(※参照:YouTube)。この円を描くように足をスライドすることによって表現するサークルフロートが、のちに1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期までマイケルが採用することとなるサークルフロート系回転ムーンウォークの原型となった(※6)。

※6:ブガルー・シュリンプバージョンの、円を描くようにスライドして回転する「サークルフロート系回転ムーンウォーク」の解説は、第4回目の「回転ムーンウォークのやり方|円を描くようにスライドして回転する」を参照。

3つのサークルフロート系

マイケル・ジャクソンが1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期まで採用したおもなサークルフロート系回転ムーンウォークは次の3つです。

1. ヴィクトリーツアー中期バージョン

円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」。

2. ヴィクトリーツアー後期バージョン

2つの折り返し点をターンで回転する「2点間ターン型回転ムーンウォーク」。

3. バッドツアー初期バージョン

2つの折り返し点をスライドで回転する「2点間スライド型回転ムーンウォーク」。

1. ヴィクトリーツアー中期バージョン

1つ目は、ジャクソンズヴィクトリーツアー中期の公演都市トロント(カナダ)で披露した、円の中心に対して自転しながら公転する「自転公転型回転ムーンウォーク」です。

この回転ムーンウォークは、「円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するように一回りする表現」に特徴があります。

>>詳しい解説はこちら

回転ムーンウォークのやり方|円の中心に対して自転しながら公転する
「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
2. ヴィクトリーツアー後期バージョン

2つ目は、ジャクソンズヴィクトリーツアー最後の公演都市ロサンゼルスで披露した、月の上を歩いているかのように2つの折り返し点をターンで回転する「2点間ターン型回転ムーンウォーク」です。

この回転ムーンウォークは、中期バージョンの「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方を引き継ぎながらも、中期バージョンのように円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するのではなく、「左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りする表現」に特徴があります。

>>詳しい解説はこちら

回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をターンで回転する
「2点間ターン型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
3. バッドツアー初期バージョン

3つ目は、バッドツアー初期の公演都市横浜で披露した、月の上を歩いているかのように2つの折り返し点をスライドで回転する「2点間スライド型回転ムーンウォーク」です。

この回転ムーンウォークは、ジャクソンズヴィクトリーツアー後期バージョンの「2点間ターン型回転ムーンウォーク」の足の使い方を引き継ぎながらも、後期バージョンのように左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りするのではなく、「左右2つの折り返し点をスライドで回転しながら時計回りに一回りする表現」に特徴があります。

>>詳しい解説はこちら

回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をスライドで回転する
「2点間スライド型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。

オリジナルムーンウォーク系

1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期までマイケル・ジャクソンが採用してきたサークルフロート系回転ムーンウォークは、1988年のバッドツアー中期に表現の転換期を迎えます。

表現の転換期

マイケル・ジャクソンは1987年のバッドツアー初期を境にこれまで開発してきたサークルフロート系回転ムーンウォークを一切封印し、1988年のバッドツアー中期以降はもう一つの系統の、円を描くように体重移動することによって表現する「オリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク」へと移行します。

この回転ムーンウォークは、1979年にジェフリー・ダニエルがキャスパー・キャ二デイト(Geron “Caszper” Canidate)(※7)とクーリー・ジャクソン(Derek “Cooley” Jaxson)(※8)と共に「Jeffrey Daniel & The Eclipse」として、当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」へ出演した際に披露した、円を描くように体重移動することによって表現するオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークが原型となっており、のちに1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでマイケル・ジャクソンが採用した回転ムーンウォークの原型でもあります(※参照:YouTube)。

※7:当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」にエレクトリックブガルーズのダンススタイルの一つである「バックスライド」を早い時期に持ち込み披露したダンサーの一人。1979年にクーリー・ジャクソンと共にマイケル・ジャクソンへバックスライドを教えたことをきっかけに、1987年公開のショートフィルム「Bad」では地下鉄構内のシーン、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」ではSmooth Criminalの、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。

※8:当時全米で最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」にエレクトリックブガルーズのダンススタイルの一つである「バックスライド」を早い時期に持ち込み披露したダンサーの一人。1979年にキャスパー・キャニデイトと共にマイケル・ジャクソンへバックスライドを教えたことをきっかけに、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでは、身体を前傾する通称「ゼログラビティ」から回転ムーンウォークへ展開するシーンでマイケルの脇を固める4人のダンサーの一人として出演した。

ジェフリー・ダニエルの回転ムーンウォーク

ジェフリー・ダニエルのオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークの表現は、それを構成するおもな「表現の要素」に、エレクトリックブガルーズのブガルー・サムのオリジナルムーンウォークの「円を描くように体重移動する表現」、「身体の内側に向かって回転する表現」、「月の上を歩いているかのようにみせる表現」の各種要素を読み取ることができます。

このことから、ジェフリー・ダニエルはブガルー・サムのオリジナルムーンウォークの表現から各種要素を抽出し、オリジナル表現の「円を描くようにつま先からかかと、かかとからつま先へ体重移動する表現」、「左足のつま先を立てながら体重を乗せたあとにかかとを下ろして後方へスライドする表現」、「両足のかかとで方向転換する表現」とを組み合わせて再構築することによって、ジェフリー・ダニエルの解釈によるジェフリー・ダニエルバージョンの「オリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク」を表現していることがわかります。

2つのオリジナルムーンウォーク系

1988年のバッドツアー中期以降からマイケル・ジャクソンが採用したオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークは次の2つです。

1. Smooth Criminalバージョン

回転軸の右足を移動して回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」。

2. デンジャラスツアー以降バージョン

回転軸の右足を移動しないで回転する「右足回転軸固定型回転ムーンウォーク」。

1. Smooth Criminalバージョン

1つ目は、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalで披露した、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」です。

マイケル・ジャクソンのオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク(右足回転軸移動型回転ムーンウォーク)がはじめて登場したのは1988年3月におこなわれたグラミー賞のThe Way Make Me Feelのパフォーマンスで、その後バッドツアー中期以降のBillie Jeanへ取り入れられました。

そして1988年10月公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでこの回転ムーンウォークを披露してからは、2回目のワールドツアーの1992年のデンジャラスツアーと最後のワールドツアーの1996年のヒストリーツアーで同曲のダンスパートへ取り入れられました。

この回転ムーンウォークは、「回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転する表現」に特徴があります。

2. デンジャラスツアー以降バージョン

2つ目は、1992年のデンジャラスツアー以降のBillie Jeanで披露した、回転軸の右足を移動しないで月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸固定型回転ムーンウォーク」です。

この回転ムーンウォークはバッドツアー中期のBillie Jeanでも登場したことがある回転ムーンウォークで、前述の「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」がBillie JeanからSmooth Criminalへ移行したことにともない1992年のデンジャラスツアーから本格導入し、1996年のヒストリーツアーでも採用しました。

またこの回転ムーンウォークは、Smooth Criminalバージョンの「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の足の使い方を引き継ぎながらも、Smooth Criminalバージョンのように回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転するのではなく、「回転軸の右足を移動せずにその場でつま先を支点として回転する表現」に特徴があります。

やり方を理解する

以上を踏まえ、今回はSmooth Criminalバージョンにスポットを当て、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきたいと思います。

「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の基本

ここからはSmooth Criminalバージョンの、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本について解説していきます。

今回の解説では、私の表現する次の回転ムーンウォークの動画を参考動画としています。

解説:この動画の表現について

1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでマイケル・ジャクソンが披露した、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の表現は、それを構成するおもな「表現の要素」に、1980年にマイケルへバックスライドを教えたことをきっかけに、のちにBad(1987年)のショートフィルムや前述の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalのコレオグラファー兼ダンサーとしてマイケルの仕事にたずさわったジェフリー・ダニエルが1979年に音楽番組「ソウルトレイン」で披露した、円を描くように体重移動することによって表現する「オリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク」の表現と、その表現の原型であるエレクトリックブガルーズのブガルー・サムの「オリジナルムーンウォーク」の表現の各種要素が読み取れることから、マイケルはこれらの表現からジェフリー・ダニエルの「円を描くようにつま先からかかと、かかとからつま先へ体重移動する表現」、「両足のかかとで方向転換する表現」、およびブガルー・サムの「身体の内側に向かって回転する表現」、「月の上を歩いているかのようにみせる表現」の各種要素を抽出し、オリジナル表現の「回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転する表現」を組み合わせて再構築することによって、マイケルの解釈によるマイケルバージョンのオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォーク、すなわち、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」を表現していることがわかります。

これを踏まえ、この動画で私が表現している回転ムーンウォークは、1988年公開の映画「ムーンウォーカー」のSmooth Criminalでマイケル・ジャクソンが披露した、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の「回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転する表現」をベースに、ジェフリー・ダニエルのオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークの「円を描くようにつま先からかかと、かかとからつま先へ体重移動する表現」、「両足のかかとで方向転換する表現」と、ブガルー・サムのオリジナルムーンウォークの「身体の内側に向かって回転する表現」、「月の上を歩いているかのようにみせる表現」がおもな構成要素であり、これらの表現から「表現の要素」を抽出し再構築することによって、私の解釈による私バージョンの、回転軸の右足を移動して回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」を表現しています。

「右足回転軸移動型」前半の動作

それでは「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」前半の動作の解説に入ります。

回転ムーンウォークのやり方①

ここではスタートポジションの左足のかかと(0)から右足のA点にかけて時計回りに体重移動しながら足を移動していく動作について解説します。

スタートポジション

両足を肩幅以内に開いて立ちます。

つま先は外側へ軽く開いておきます。

この位置がスタートポジションです(左0・右0)。

左足

スタートポジション(左0・右0)から左足のかかと(0)、外側側面(1)、そしてつま先方向(2)へ時計回りに体重移動していきます。

右足

左足のつま先へ体重移動した時に(2)、半分以上の体重は左足のつま先部分にかかり、右足が体重から解放されて軽くなります。

この時、右足を軽く内側へ回転し(1’)、続けて外側にカーブを描きながらつま先の向きが5時方向を向くようにA点へ移動していきます。

A点へ向けて移動していく動作の中で、右足は徐々にかかとを浮かせていき、A点へ到着した時には右足の指から指の付け根に体重をかけてつま先を立てます(1)。

体重

右足がA点へ到着してつま先を立てた時(1)、半分以上の体重は右足の指から指の付け根にかかっています。

左足にもつま先部分に一部の体重がかかっていますが、床に添える程度としておきます。

身体の向き

5時方向へ切り替わります。

回転ムーンウォークのやり方②

ここでは時計回りに体重移動しながら足を移動していく流れに沿って、軸足の右足を4時方向へ反時計回りに回転して身体の向きを変えていく動作について解説します。

右足

前回の1の状態(右足の指から指の付け根に半分以上の体重をかけてつま先を立てている状態)から、つま先を支点として4時方向へ反時計回りに回転していき(2)、B点でかかとを下ろして床へ着地します(3)。

左足

右足を軸に回転している時に、左足は3’を経由してかかとを右足のかかとへ引き寄せるようにカーブを描きながらB点へ移動していき、右足のかかとが床へ着地するタイミングと合わせて左足のかかとをB点へ到着します(3)。

この時左足のつま先は、右足と同様に4時方向を向いています。

体重

両足のかかとがB点へ到着した時(左3・右3)、体重は両足のかかとへ同等程度にかかっています。

身体の向き

4時方向へ切り替わります。

回転ムーンウォークのやり方③

ここでは時計回りに体重移動していく流れに沿って、両足のかかとを軸に2時方向へ反時計回りに回転して身体の向きを変えていく動作について解説します。

両足

かかとを軸につま先を2時方向へ向けて反時計回りに回転していきます(左4・右4)。

左足

両足のかかと(左4・右4)から左足のかかと(4)、外側側面(5)、そしてつま先方向(6)へ時計回りに体重移動していきます。

右足

左足のつま先へ体重移動した時に(6)、半分以上の体重は左足のつま先部分にかかり、右足が体重から解放されて軽くなります。

この時、右足をC点へ向けて移動していきます。

C点へ向けて移動していく動作の中で、右足は徐々にかかとを浮かせていき、C点へ到着した時には右足の指から指の付け根に体重をかけてつま先を立てます(5)。

体重

右足がC点へ到着してつま先を立てた時(5)、半分以上の体重は右足の指から指の付け根にかかっています。

左足にもつま先部分に一部の体重がかかっていますが、床に添える程度としておきます。

身体の向き

2時方向へ切り替わります。

前半の動作の流れ

ここまでが「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」前半の動作です。

前半の動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。

「右足回転軸移動型」後半の動作

ここからは「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」後半の動作の解説に入ります。

回転ムーンウォークのやり方④

ここでは時計回りに体重移動しながら足を移動していく流れに沿って、軸足の右足を10時方向へ反時計回りに回転して身体の向きを変えていく動作について解説します。

右足

前回の5の状態(右足の指から指の付け根に体重をかけてつま先を立てている状態)から、つま先を支点として10時方向へ反時計回りに回転していき(6)、D点でかかとを下ろして床へ着地します(7)。

左足

右足を軸に回転している時に、左足もつま先を支点として反時計回りに回転していき(7)、右足のかかとが床へ着地するタイミングと合わせて左足のかかとをD点へ到着します(8)。

この時左足のつま先は、右足と同様に10時方向を向いています。

体重

両足のかかとがD点へ到着した時(左8・右7)、体重は両足のかかとへ同等程度にかかっています。

身体の向き

10時方向へ切り替わります。

回転ムーンウォークのやり方⑤

ここでは時計回りに体重移動していく流れに沿って、両足のかかとを軸に8時方向へ反時計回りに回転して身体の向きを変えていく動作について解説します。

両足

かかとを軸につま先を8時方向へ向けて反時計回りに回転していきます(左9・右8)。

左足

両足のかかと(左9・右8)から左足のかかと(9)、外側側面(10)、そしてつま先方向(11)へ時計回りに体重移動していきます。

右足

左足のつま先へ体重移動した時に(11)、半分以上の体重は左足のつま先部分にかかり、右足が体重から解放されて軽くなります。

この時、右足をA点へ向けて移動していきます。

A点へ向けて移動していく動作の中で、右足は徐々にかかとを浮かせていき、A点へ到着した時には右足の指から指の付け根に体重をかけてつま先を立てます(9)。

体重

右足がA点へ到着してつま先を立てた時(9)、半分以上の体重は右足の指から指の付け根にかかっています。

左足にもつま先部分に一部の体重がかかっていますが、床に添える程度としておきます。

身体の向き

8時方向へ切り替わります。

後半の動作の流れ

ここまでが「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」後半の動作です。

後半の動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。

動作のまとめ

以上がSmooth Criminalバージョンの、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」をベースとする足の使い方の基本についての解説でした。

2周目以降をおこなう場合は、「回転ムーンウォークのやり方②」の動作からおこないます。

最後に、今回解説した「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の動作の流れを次のスローモーション動画でおさらいしましょう。

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次回について

Smooth Criminalバージョンの、回転軸の右足を移動して月の上を歩いているかのように回転する「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について理解した次におさえておきたいことは、この回転ムーンウォークの上半身の動作です。

第6回|右足回転軸移動型|後編

この「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」のユニークな点は、足の表現だけではなく上半身の表現と合わせて1つの表現となっている点です。

特に時計回りに体重移動しながら足を移動していく流れに沿って表現する「肩」の高低差の表現と、「右腕」の手のひらをテーブルに添えるように時計回りに円を描いていく表現が、この回転ムーンウォークの重要な表現の要素となっています。

回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動して回転する|後編
「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の上半身の動作の基本について解説します。

それではまた次のコンテンツでお会いしましょう。

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