マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」の仕組みとやり方

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」の仕組みとやり方

「その場ムーンウォーク」はパントマイムのプロファイルウォークが大元の原型となっており、1970年代後半にストリートダンスへ取り入れられたステップです。

「その場ムーンウォーク」の主な系譜を振り返ると、当時の最先端のストリートダンスを発信していた音楽番組「ソウルトレイン」でエレクトリックブガルーズ(Electric Boogaloos)のクリーピン・シッド(Creepin Sid)やシャラマー(Shalamar)のジェフリー・ダニエル(Jeffrey Daniel)が「前方に進むムーンウォーク」を1979年に披露しています。

また、映画では1983年公開の「フラッシュダンス」(Flashdance)でロック・ステディー・クルー(Rock Steady Crew )のミスター・フリーズ(Mr. Freeze)が、片手に傘を持ちながら強風の中を歩くシチュエーションのパントマイムのオマージュとして”前に進みたいのになかなか前へ進めない”「その場ムーンウォーク」を披露しています。

そしてマイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」の表現に直接の影響を与えたブガルー・シュリンプ(Boogaloo Shrimp)は、1984年公開の映画「ブレイクダンス」(Breakin’)のオープニングで「その場ムーンウォーク」を披露しています。

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」は、これらのストリートダンスの系譜を経て1984年に開催されたジャクソンズヴィクトリーツアーのHuman Natureで初めて披露しました。

ヴィクトリーツアーと1987年のバッドツアーでは、Human Nature、Billie Jean、Shake Your Bodyで披露され、1991年のアルバム「デンジャラス」(DANGEROUS)リリース以降はJamのショート・フィルムにも登場しました。

マイケル・ジャクソンとブガルー・シュリンプの表現の違い

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」のクリエイティブのルーツは、1983年から1991年までマイケルのソロパートのアドバイザー(パーソナルポッピングインストラクター)だったブガルー・シュリンプ(Boogaloo Shrimp)の影響を受けています。

前述のように当時のブガルー・シュリンプの「その場ムーンウォーク」は映画「ブレイクダンス」のオープニングシーンで確認する事が出来ますが、マイケル・ジャクソンとブガルー・シュリンプの「その場ムーンウォーク」を比較すると、その表現にはそれぞれ特徴がある事が分かります。

ブガルー・シュリンプの場合

ブガルー・シュリンプの表現は、片足でつま先立ちした状態からバランスを保ちながら、もう一方の足を床から浮かせた状態で後方へ足を運んだ後に前方へ戻して前足と入れ替えるという動作をゆっくりと繰り返し、いかにも月面の無重力空間を歩いているかのように行う表現が特徴的です。

マイケル・ジャクソンの場合

一方、マイケル・ジャクソンの表現は、Human NatureやJamのショート・フィルムで行ったように曲のシチュエーションに合わせてブガルー・シュリンプのようなゆっくりとした表現も行いますが、Billie Jeanで行ったように片方の足を後方へスライドした後、素早く前方へ戻して前足と入れ替える動作を繰り返す表現も行います。

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」は、楽曲によって表現するスピードや細かい動きを入れる点においては違いがあるものの、「その場ムーンウォーク」の表現のベースとなる身体の使い方は共通しています。

以上を踏まえ今回はマイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」にスポットを当て、その仕組みとやり方について解説していきたいと思います。

「その場ムーンウォーク」のやり方

概要について

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」は、大きく分けると6つのモーションから成り立っています。

概要を解説すると、左足のつま先を立てて(1)、右足を時計回りに開きながら後方へスライドします(2)。

左足が床に着地したと同時に右足を前方へ持っていきつま先を立て(3)、左足を後方へスライドします(4)。

後方へスライドした左足を軽く蹴るように前方へ持っていき(5)、左足のかかとが右足のつま先を超えたあたりで後方に戻し左足のつま先を立てます(6)。

参考

「その場ムーンウォーク」のやり方1

スタートポジション

3時方向を正面とし、両足を肩幅以内に開いて立ちます。

左足の後ろ半分が右足のかかとのラインよりも後方にずれた状態とします。

この位置がスタートポジションです(0)。

左足

左足の靴底を床から軽く浮かした状態のすり足で前方へ持っていき、右足のつま先のラインに合わせるようにつま先を立てます(1)。

右足

動かさずそのままとします。

体重

左足のつま先と右足の足の裏全体にかかっています。

「その場ムーンウォーク」のやり方2

左足

つま先を立てている左足を床に下ろします。

床に下ろす際、つま先を支点として反時計回りに2時方向へ一度回転してから元の3時方向へ戻して床に着地します(2’→2)。

右足

左足を床に下ろす2’から2の動作と同タイミングで、右足はかかとを軸に時計回りに5時方向へ回転しながら後方へスライドします(1)。

後方へスライドする距離は、自分の足のサイズの半分程度を目安とします。

体重

左足の足の裏全体にかかっています。

右足は次の動作で前方に持っていくため、いつでも動かせるように床に軽く添えておく程度とします。

「その場ムーンウォーク」のやり方3

右足

かかとを軸に反時計回りに回転しながらすり足で前方に持っていき、左足のつま先のラインに合わせるようにつま先を立てます(2)。

この時右足のつま先は正面の3時方向を向いています。

左足

動かさずそのままとします。

体重

右足のつま先と左足の足の裏全体にかかっています。

「その場ムーンウォーク」前半の動作の流れ

ここまでが「その場ムーンウォーク」前半の動作です。

動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。

「その場ムーンウォーク」のやり方4

右足

つま先を立てている右足を床に下ろします。

床に下ろす際、つま先を支点として時計回りに4時方向へ一度回転してから元の3時方向へ戻して床に着地します(3’→3)。

左足

右足を床に下ろす3’から3の動作と同タイミングで、左足を後方へスライドしつま先を立てます(3)。

後方へスライドする距離は、自分の足のサイズ程度を目安とします。

体重

右足の足の裏全体にかかっています。

後方へスライドして床につま先を立てている左足は次の動作で前方に持っていくため、いつでも動かせるように床に軽く添えておく程度とします。

「その場ムーンウォーク」のやり方5

左足

後方へスライドした左足の靴底を床から軽く浮かした状態で軽く蹴るように前方へ持っていき(4)、左足のかかとが右足のつま先を超えたあたりで後方に戻しつま先を立てます(5)。

この時のつま先の向きは2時方向を向いています。

右足

左足のつま先を立てる動作と同タイミングで、右足はかかとを軸に時計回りに5時方向へ回転します(4)。

※この後後方へスライドする動作となります

体重

左足のつま先と右足のかかとにかかっています。

「その場ムーンウォーク」後半の動作の流れ

ここまでが「その場ムーンウォーク」後半の動作です。

動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。

「その場ムーンウォーク」の動作まとめ

一連の動作の流れをスローモーションで示したものが次の動画となります。

以上が「その場ムーンウォーク」のやり方の解説でした。

動作を繰り返す場合は、「その場ムーンウォークのやり方2」から行います。

参考:右足スライド型「その場ムーンウォーク」

「その場ムーンウォーク」の表現は、原則、両足をその場で交互に後方へスライドする事によって表現しますが、「その場ムーンウォーク」の別バージョンとして右足だけをその場で後方へスライドして表現するのが右足スライド型「その場ムーンウォーク」です。

左足は後方へスライドせずに「ハの字」と「逆ハの字」に足を振りながら左から前方へ向けてスライドする表現を行っています。

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それでは、またの機会にお会いしましょう。

KAIZOU NINGEN

ダンス研究家。専門はムーンウォークとアニメーションダンス。幼少期にマイケル・ジャクソンのメカニカルな動きを取り入れたダンスに影響を受け、1990年よりダンスの研究を始める。マイケル・ジャクソン没後10年特集番組へ情報提供(TBS「一番だけが知っている」:2019年)。

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