ムーンウォークの種類|マイケル・ジャクソンが採用した主要4種とは

マイケル・ジャクソンが採用した主要4種類の「ムーンウォーク」について解説していきます。
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ムーンウォークの種類|マイケル・ジャクソンが採用した主要4種とは

今回はマイケル・ジャクソンが採用した主要4種類の各種ムーンウォークについて解説していきたいと思います。

ムーンウォークの種類

マイケル・ジャクソンが披露したことによって一般に広く知られるようになった「ムーンウォーク」は、表現別に分類すると次の4種類があります。

1. バックスライド

かかとからつま先にかけて後方へ交互にスライドしながら移動していくスタイル。

2. サイドウォーク

左右の足の「つま先とかかとの体重移動」および「交差」を利用して横方向へ移動していくスタイル。

3. その場ムーンウォーク

その場にとどまりながらムーンウォーク(バックスライド)しているようにみせるスタイル。

4. 回転ムーンウォーク

円を描くように足をスライドする、または体重移動することによって表現するスタイル。

1. バックスライド

「ムーンウォーク」の名称で知られている「バックスライド」は、1970年代後期よりウエストコースト(西海岸)のストリートダンサーから広まっていったスタイルです。

マイケル・ジャクソンが1983年のモータウン25(※1)のBillie Jeanで披露したことによって一般に広く知られるようになりました。

その後マイケル・ジャクソンのムーンウォーク(バックスライド)は、モータウン25の翌年に開催したジャクソンズヴィクトリーツアー(1984年)、ソロとしてはじめてのワールドツアーのバッドツアー(1987年)、2回目のワールドツアーのデンジャラスツアー(1992年)、最後のワールドツアーのヒストリーツアー(1996年)を通じて改良を重ねながら進化していきました。

※1:マイケル・ジャクソンがジャクソン5時代に所属していたレコードレーベル「モータウン」の設立25周年を記念して開催された音楽の祭典。そのハイライトは1983年5月16日に全米でTV放送された。祭典の正式名称は「Motown25: Yesterday, Today, Forever」(モータウン25:昨日、今日、そして永遠に)。この祭典がマイケルにとってムーンウォーク(バックスライド)初披露の場となった。

バックスライドの解説

バックスライドの解説は、次の「ムーンウォーク講座|10のステップで上達するバックスライドのやり方」で詳しく解説しています。

ムーンウォーク講座|10のステップで上達するバックスライドのやり方
ムーンウォークのしくみから表現のポイントまでを全10回シリーズで解説します。

2. サイドウォーク

横方向へ移動していくムーンウォークとして知られている「サイドウォーク」は、もともとは「サイドスライド」という名称として、バックスライドの登場と同じ時期の1970年代後期よりウエストコースト(西海岸)のストリートダンサーから広まっていったスタイルです。

マイケル・ジャクソンのサイドムーンウォークは、1987年のバッドツアーのShake Your Bodyではじめて登場しました。

1987年のバッドツアー初期の公演都市横浜のShake Your Bodyでは「月の上を歩いているかのように横方向へ滑らかに移動していくムーンウォーク」を表現していたマイケル・ジャクソンですが、その後バッドツアー中期の公演都市ウェンブリー(イギリス)のBillie Jeanでは「首と肩を連動して小刻みにアクセントをつけながら横方向へ移動していくムーンウォーク」や1992年のデンジャラスツアー中期の公演都市ブカレスト(ルーマニア)では「ストップモーションアニメーション映画のクリーチャーのような動きをしながら横方向へ移動していくムーンウォーク」を披露し、また1995年のMTV Video Music AwardsのDangerousでは「ロボットのような動きで流れるように横方向へ移動していくムーンウォーク」を披露するなど、公演を重ねていくごとにその表現は進化していきました。

サイドウォークの解説

サイドウォークの解説は、次の「サイドウォークのやり方|横へ移動するムーンウォークの表現」で詳しく解説しています。

サイドウォークのやり方|横へ移動するムーンウォークの表現
サイドウォークの基本とアニメーションダンスの要素を取り入れた応用について解説します。

3. その場ムーンウォーク

「その場ムーンウォーク」の表現は、パントマイムの、その場にとどまりながら歩いてみせる「プロファイルウォーク」の表現と、強風にさからいながら前と後ろへ歩いてみせる「プレッシャーウォーク」の表現が大元の原型となっており、1970年代後期よりストリートダンスへ取り入れられ、ウエストコースト(西海岸)のストリートダンサーによって広まっていったスタイルです。

マイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」は、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーのHuman Natureではじめて登場しました。

この「その場ムーンウォーク」は、その場にとどまりながらムーンウォーク(バックスライド)しているようにみせる表現が特徴で、同ツアーのBillie Jeanにも登場しました。

その後1987年のバッドツアー、1992年のデンジャラスツアー、1996年のヒストリーツアーの3つのすべてのワールドツアーのBillie Jeanでは、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーバージョンに改良を加えた、月の上を歩いているかのようにその場にとどまりながら後ろと前へ同時に歩いてみせる「その場ムーンウォーク」を披露し、それをやり続けたことによって、この表現がマイケル・ジャクソンの「その場ムーンウォーク」の代表的な表現として定着しました。

その場ムーンウォークの解説

その場ムーンウォークの解説は、次の「その場ムーンウォークのやり方|その場にとどまり歩いてみせる表現」で詳しく解説しています。

その場ムーンウォークのやり方|その場にとどまり歩いてみせる表現
「その場ムーンウォーク」の基本と「その場ムーンウォーク」の表現の応用について解説します。

4. 回転ムーンウォーク

円を描くように足をスライドする、または体重移動することによって表現する「回転ムーンウォーク」は、もともとはひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせることによって表現する「ムーンウォーク」(The Moonwalk)という名称として、バックスライド、サイドウォーク、その場ムーンウォークの登場と同じ時期の1970年代後期よりウエストコースト(西海岸)のストリートダンサーによって広まっていったスタイルです。

かかとからつま先にかけて後方へ交互にスライドしながら移動していく「バックスライド」をマイケル・ジャクソンが「ムーンウォーク」と命名し1983年のモータウン25で披露したことによって、一般にはバックスライドの表現が「ムーンウォーク」として広く知られるようになりましたが、歴史的観点からすると、ひざをやわらかく使いながら円を描くように体重移動していく表現を利用して、月の上を歩いているかのようにゆっくりと歩いてみせる表現が本来の「ムーンウォーク」(The Moonwalk)です。

これを踏まえマイケル・ジャクソンの回転ムーンウォークは、1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーのBillie Jeanではじめて登場しました。

マイケル・ジャクソンが採用した回転ムーンウォークにはおもに次の2つの系統があります。

1. オリジナルムーンウォーク系

円を描くように体重移動することによって表現する回転ムーンウォーク。

2. サークルフロート系

円を描くように足をスライドすることによって表現する回転ムーンウォーク。

マイケル・ジャクソンは1984年のジャクソンズヴィクトリーツアーから1987年のバッドツアー初期までサークルフロート系回転ムーンウォークを採用し、1988年のバッドツアー中期以降はオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークを採用しました。

サークルフロート系の解説

マイケル・ジャクソンが採用したサークルフロート系回転ムーンウォークにはおもに次の3つのタイプがあります。

1. 自転公転型

円の中心に対して自転しながら公転することによって表現する回転ムーンウォーク。

2. 2点間ターン型

2つの折り返し点をターンで回転することによって表現する回転ムーンウォーク。

3. 2点間スライド型

2つの折り返し点をスライドで回転することによって表現する回転ムーンウォーク。

1. 自転公転型

自転公転型回転ムーンウォークは、「円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するように一回りする表現」に特徴があります。

この回転ムーンウォークの解説は、次の「回転ムーンウォークのやり方|円の中心に対して自転しながら公転する」で詳しく解説しています。

回転ムーンウォークのやり方|円の中心に対して自転しながら公転する
「自転公転型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
2. 2点間ターン型

2点間ターン型回転ムーンウォークは、自転公転型回転ムーンウォークの足の使い方を引き継ぎながらも、円の中心に対して反時計回りに自転しながら周回軌道を時計回りに公転するのではなく、「左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りする表現」に特徴があります。

この回転ムーンウォークの解説は、次の「回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をターンで回転する」で詳しく解説しています。

回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をターンで回転する
「2点間ターン型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
3. 2点間スライド型

2点間スライド型回転ムーンウォークは、2点間ターン型回転ムーンウォークの足の使い方を引き継ぎながらも、左右2つの折り返し点をターンで回転しながら反時計回りに一回りするのではなく、「左右2つの折り返し点をスライドで回転しながら時計回りに一回りする表現」に特徴があります。

この回転ムーンウォークの解説は、次の「回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をスライドで回転する」で詳しく解説しています。

回転ムーンウォークのやり方|2つの折り返し点をスライドで回転する
「2点間スライド型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。

オリジナルムーンウォーク系の解説

マイケル・ジャクソンが採用したオリジナルムーンウォーク系回転ムーンウォークにはおもに次の2つのタイプがあります。

1. 右足回転軸移動型

回転軸の右足を移動して回転することによって表現する回転ムーンウォーク。

2. 右足回転軸固定型

回転軸の右足を移動しないで回転することによって表現する回転ムーンウォーク。

1. 右足回転軸移動型

右足回転軸移動型回転ムーンウォークは、「回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転する表現」に特徴があります。

この回転ムーンウォークの解説は、次の「回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動して回転する|前編」で詳しく解説しています。

回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動して回転する|前編
「右足回転軸移動型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
2. 右足回転軸固定型

右足回転軸固定型回転ムーンウォークは、右足回転軸移動型回転ムーンウォークの足の使い方を引き継ぎながらも、回転軸の右足を移動してからつま先を支点として回転するのではなく、「回転軸の右足を移動せずにその場でつま先を支点として回転する表現」に特徴があります。

この回転ムーンウォークの解説は、次の「回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動しないで回転する」で詳しく解説しています。

回転ムーンウォークのやり方|回転軸の右足を移動しないで回転する
「右足回転軸固定型回転ムーンウォーク」の足の使い方の基本について解説します。
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